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コラム3

ヴィンテージハーレーの魅力

 前回は大まかなバイクの歴史、特にハーレーダビットソンの歴史やライダーを虜にしてやまない各時代のエンジンについてお話した。

いかがだっただろうか?

 前回のメルマガに多くの感想をいただき、ありがとうございました。
少し紹介させていただくと、
 
「ショベルって聞いたことあったのですが、エンジンの名前だったんですね!」
「私はどちらかというとエボ以前のハーレーに乗りたいのですが、メカニック知識がなくても大丈夫ですか?」
「中古バイク屋さんで以前ものすごく高いハーレーを見たのを思い出しました。たしか400万円以上・・・あれって、ヴィンテージハーレーだったかも知れないですね。すごい」
「本当に街中で会いました!本当に音がぜんぜん違いますね!!余計にハーレーが好きになってしまいました。」
「どうして新車じゃなく、古いハーレーを買うのですか?新車の方が壊れないと思うのですが・・・」
 
などなど、本当にありがとうございました。
 
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「フラットエンジン・ナックルヘッド・パンヘッド」って初めて聞きました。まだ見たことがない!」という感想も頂いたが、ムリもない。

 

 前回もお話したが、製造台数が極端に少ない上に世界恐慌や第二次世界大戦へと突入し、ラジオでは軍歌が流れ、戦争一色の時代へと突入していくまさに激動の時代。
この3つのエンジンを街中で見かけるチャンスはそうそうナイ。だからこそ「プレミアムヴィンテージ」とも言われる。

実際に私自身も過去見たエンジンの中で、現役で公道を走っている一番古いエンジンは「パンヘッド」になる。もちろんハーレーキャンプやイベントに出かければナックルヘッドを見かけないこともないが、それでも稀になる。
音を実際に聞くと戦時中の香りすらするらしい・・・。本当なのか?

 特に「フラットエンジン・ナックルヘッド・パンヘッド」のようなヴィンテージハーレーは、現行のエンジンよりも小さく、音も少し小さめで、車体自体も少し小さい。もちろん現行のようにセルフスタータではなく、キック式の始動になる。
しかしこのキック式、まぁーエンジンがかからない。かからない。寒い日には「暖機」といって、実際にエンジンをかけて10分間くらいエンジンを文字通り暖めなくてはならないが、それ以前にかからない。特に肝心な冬などの寒い日には。

 

 そして50年以上のバイクだから本当に当たり前のように壊れる。メカニックの知識がなければ維持するのも大変だろう。
そんなこともあってか、「ハーレーは壊れやすい」という迷信が今でも信じられている。が、壊れやすいのは1966年以降の「ショベルヘッド」の中期までであり、現行モデルは国産車並みに壊れない。もちろん日本の厳しい車両基準を満たしているので、現行モデルはそうそう壊れるワケがない。
しかし、私自身ショベルヘッド以前のエンジンは壊れるのも仕方ないのではないだろうか?と思う。そもそもモノに対する考え方が日本人と外国人は全く正反対なのだ。車にしても昔の外車は壊れやすい。

 

日本人は「作った製品が壊れるなんて考えられない」
に対して
外国人は「作った製品が壊れないなんて考えられない」
(つまり、使えば何でも古くなり壊れるでしょ。という意味)
こういった考えなのだ。

 

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 もしあなたがヴィンテージハーレー、特に「フラットエンジン・ナックルヘッド・パンヘッド」に乗るときは調子が悪くなるのを前提に乗って欲しい。

しかし、この時代のエンジンはその手間暇をひっくり返すほどの魅力を持っている。先ほど私が見たパンヘッドの30代のオーナーもこう言っていた。

 

「確かに手間とヒマは他のバイクよりよっぽどかかるけど、だからって嫌いにはなれない。コイツが動かなくなるまでずっと跨るつもりだよ」

 

「フラットエンジン・ナックルヘッド・パンヘッド」とは前回お伝えし通り60年以上前に製造されたバイクなのだ。

一見すれば、ボロボロのサビがかった古臭いバイクに映るだろう。

しかし、それは60年という長きに渡って様々なオーナーとバイクライフを共にした思い出であり誇りなのだ。

様々な国、気候、言葉、景色、人、思い出、出来事、出会い、別れ、数え切れないくらいの喜びと共に走った記憶なのである。

雨の日も、晴れの日も、辛い時も、あの人に会いたい時だって一生懸命に走った誇りなのである。

 

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 ヴィンテージハーレーには、その時代時代の息吹があり歴史が刻まれている。

近年のハイテクバイクに比べれば、手間もかかるし、維持費もかかる。そして、よく壊れる。

しかし、ヴィンテージハーレーだけにしか出せない味と空間がそこにはある。

だからこそ、いろんな手間暇かけても乗り回す価値がヴィンテージハーレーにはある。

 

 今、あなたがバイクに乗っているのならばもっともっと大切にし愛して欲しい。

そして数十年後、ヴィンテージハーレーと呼ばれ、より多くの思い出と誇りを乗せて走るだろうから。

 

 多くのオーナーたちの「ありがとう」を乗せて。

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