バイクショップ八尾カワサキがお届けするハーレーダビッドソンと共に風を感じるライフスタイルマガジンです。
毎回楽しいコンテンツ満載でお送りしています。

コラム3

時代を駆け抜けるハーレー

バイクの歴史とは、ハーレーが駆け抜けた歴史そのものなのかもしれない。

フランスで1873年に最初の蒸気機関を動力とする二輪車が作られて以来、

1885年にダイムラー社が内燃機関を搭載したモデル、
1903年にはアメリカにてハーレーダビッドソン社が自転車にエンジンを搭載したモデルを製造。

 

0121

そして

 

いよいよバイク時代の幕開けである。

 

当時のバイクといえば、今のような形ではなく、自転車にエンジンを積んだ簡単な作りだった。実際に「ハーレーダビッドソン第1号」はトマトの空き缶を利用したキャブレターなど、手作り感あふれる一台だった。すぐに壊れ、しかも高価で大量生産体制が整っておらず、今となっては非常に現存数が少なく、この時代のヴィンテージバイクはプレミアムヴィンテージバイクとも呼ばれている。

 

その後、第一次世界大戦でバイクが兵器(兵士の移動手段)として積極的に採用され、バイクの技術・生産台数は飛躍的にアップするが、ほとんどのバイクが戦争で破壊されバイク誕生からこの時代までの現存のものはほとんどなく、各会社の資料館やレプリカに留まる。
この頃になると排気量は1000ccを超え、今のハーレーの原型とも言えるVツイン型を生産していた。第一次世界大戦下であったためサイドカーをメインに製造されていた。また当時はアメリカ映画で初の長編喜劇映画が発表された時代、軍人と貴婦人のデートにも使われていたそうだ。

 

0406

 

しかし1920年代になると、現在のバイクと同じような構造が確立し大量生産の体制も整い、戦争バブルの後押しもあって、一気にヨーロッパ・アメリカ社会を中心に浸透していくこととなる。この頃になると、1気筒・2気筒・3気筒と各社の個性や技術の違いが顕著に現れるようになり、この1920年代から終戦後の1960年代のバイク全般をオールド・ヴィンテージバイク、ヴィンテージバイクと呼ばれるようになる。特にハーレーの場合は、その時代時代のエンジンに愛称があり、そのエンジンエンジンに魅了されたコアなファンが存在する。どの時代にも、ハーレー独特の音には違いないのだが、その時代にしか出せない味のある独特なクセがある。それが”ヴィンテージ”として重宝される所以でもある。

 

年代ごとにわけてみると

 

▼1929年~35年 「フラットエンジン」
当時日本は「蟹工船」が出版された頃であり、阪急百貨店や銀座三越が開店し多少のバブルを呈していたが、ニューヨーク証券取引所で株価が大暴落を機に世界恐慌へと突入していく激動の時代に。

 

▼1936年~47年 「ナックルヘッド」
このナックルヘッドは稀にではあるが見かける。このエンジンは非常に繊細で、メカニックの知識がないと維持は難しいと言える。 この頃の日本と世界は第二次世界大戦へと突入。ラジオでは軍歌が流れ、戦争一色の時代へと突入していく。

 

▼1948年~65年 「パンヘッド」
敗戦を経験し、まさに何もない時代から復興へと突き進んだ年代。しかし一番近代化した時代でもあった。硬貨式の公衆電話が登場し、あの「鉄腕アトム」・「鉄人28号」が連載され放映を開始した時代でもあり、長嶋茂雄選手や王貞治選手が巨人軍入団し国民が野球へと熱中していく時代でもある。

 

▼1966年~84年 「ショベルヘッド」
おそらく日本で一番有名なエンジン。「キング オブ ハーレー」と言う人もいる。

この時代には車が日本のスタンダードになりつつある時代で、トヨタからカローラが発売された年代でもあり、『8時だョ!全員集合』『クイズタイムショック』『サザエさん』『仮面ライダー』『天才バカボン』『ルパン三世』など、今でも有名な番組が放送を開始した年代でもあり、まさに当時はテレビの黄金期でもあった。

また、アメリカではケネディ暗殺など世界情勢はまだまだ緊迫していた。

 

▼1985年~97年 「エボルーション」
この時期の日本はまさにバブル期の真っ只中。竹の子族・DCブランド・ボディコン・ケミカルウォッシュジーンズなどが大流行し、聖子ちゃんカットやリーゼントといった若者文化が流行り、バブル崩壊へと進む激動の時代。

 

▼1998年~    「ツインカム88」
2003年にはハーレー史上初の水冷DOHC4バルブエンジン「レボリューション」を搭載した「V-ROD」が発表された。

 

1209

 

この様に、ハーレーの歴史はバイク自体の歴史でもある。
もっと言えば、ハーレーのエンジンの歴史がバイクの歴史なのである。
特に【フラットエンジン】【ナックルヘッド】【パンヘッド】は「オールド・ヴィンテージバイク」とも言われ、バイクの歴史の礎にもなった【時代を創ったエンジン】とも言えるだろう。

 

次回はこの「オールド・ヴィンテージバイク」についてもう少しお話したいと思う。
100年という1世紀に渡るあの”ハーレーサウンド”の変貌を是非楽しんで欲しい。

もし街で古臭いハーレーを見つけたらジーッと見つめて欲しい。

もしどこかで、今とはまた違う”ハーレーサウンド”を聴けたら聴いてほしい。
時代時代のエンジンから放たれる、深みのある鼓動があなたを虜にするはずだから。

Copyright © 2013 YAO KAWASAKI All Rights Reserved.