バイクショップ八尾カワサキがお届けするハーレーダビッドソンと共に風を感じるライフスタイルマガジンです。
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コラム1

「ハーレーダビッドソン」とはなにか?

~2014年モデル 米国より最新レポート by上代(兄)~

 

待ちに待った、ハーレーダビッドソンの2014年モデルの発表が8月18日、アメリカのデンバーの会場にて開催されました。もうUS-HDのWebサイトは2014年モデルに切り替わっていますが、皆様もうご覧になったでしょうか? 日本国内の正式発表は10月となっており、もう少し先ですが、USサイトをみれば、今年のハーレーはヤル気だという事がわかると思います。

 

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2014年のスローガンは「PROJECT RUSHMORE」だそうで、その話は後ほど。

 

例年、本国では7月の20日頃に発表が有ります。9月のニューモデル発表の1ヶ月程前には、モデルチェンジやニューモデルの情報をUSハーレーのWebサイトで仕入れて、お客様にお伝えしたりしていましたが、昨年より8月の後半に発表の時期が1ヶ月ずれてきています。そんな中でも、情報のリークというものはどこかしらか出てきていましたが、今年に関しては、本当に何も情報が出て来ない年でした。この時期お客様は、残り少なくなって売り切れてしまう当年式モデルに早く決めるか、そのリスクを負いながら、もうちょっと待って来年度モデルを見てから決めるか、の選択に、頭を悩ませる事になります。例年我々も不確定な予想の範囲ではありますが、USの情報で助言してきました。

 

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誓って言っておきますが、メーカーからの事前の情報は我々ディーラーにも一切無く、ひたすら断片情報をインターネットで漁る日々が続き、だいたい6月上旬に次年度のモデルの排ガスのレポートが開示され、US国内販売の車種と排気量は確認できますが、今年は3月ごろに再度2013年モデルの排ガスレポートが再度更新されて、「?」な出来事でした。

そして、その頃にFLHR、FLTR系、FXS他計6車種を2014年には出さないという公式発表があったのも「?」な出来事なうえに、異例な事でした。

ただし、通例通り春先に2機種ニューモデルが出ました。それはまるで1年で完結するTVの戦隊ヒーローに、中盤新しいキャラクターやアイテムが登場して物語を盛り上げ、関連商品の売り上げアップを狙うのと同じく、ハーレーもニューモデル発表から半年後の3月に、フロリダ州でデイトナバイクウィークというビックなイベントに合わせたタイミングで恒例としてブランニューモデルを追加してもうひと盛り上がりを狙います。

 

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今年に発表されたのは、CVOで無いブレイクアウトと、ストリートボブのリミテッドという、先行機種がもともとあったモデルで、フォーティーエイトやソフテイルスリムの様な意表を突いた新モデルとは違い、個人的にはUS国内では消えて久しいローライダーがリニューアルして復活!という予想が外れ、肩すかしをくらった感はありました。

 

今年は大きな変更があると踏んでいたのは、ハーレーの今までの20年来からのパターンからすると、アニバーサリーイヤーの次の年は大きな変更があったからです。しかし3月のデイトナバイクウィークも過ぎ、6月頃の排ガスレポートも挙がらず、ニューモデルの期待は段々と萎んで行きました。残すは8月初頭にサウスダコタ州ブラックヒルズで開催される「スタージス」、北米のバイクミーティングで最大のイベントであり、ハーレーもそのミーティングの名を冠したモデルもありました。きっとそこで大々的に発表するに違いない、これだけ秘密裏に動いているのだから、やはり以前からリークしていた水冷エンジがいよいよ…と予想していましたが、そこで開催されたのはインディアンモーターサイクルのニューモデルローンチでした。7〜 8月の、WEB上での記事もハーレーのネタが全然無く、インディアンモーターサイクルの記事一色になっていました。

 

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ハーレーのCVO用の特別仕様の110キュービックインチ(1801cc)に対抗したのでしょうか、インディアンのニューエンジンは111キュービックインチ(1811cc)になっています。そして外観もそれまでのハーレーエンジンのコピーでは無く、サイドバルブ風のロッカーカバーを持つクラシカルなルックスに一新したニューエンジンでした。インディアンモーターサイクルとしては初となるカウル付きのバガーが出たのもニュースでした。

 

実は八尾カワサキのハーレー部門は昨年の国内優秀ディーラーに選ばれていまして、USの発表会の後に、デンバー〜ソルトレイクまでの2泊3日で1300kmの行程を巡るツーリングに招待されていました。事前に頂いていた資料によると私は2014のFLHTKに乗る予定となっていたのですが、内心やっぱり新しいモデルに乗りたいと思っていましたし、直前で飛び込んできたニュースを見ても、2013年と変わらない仕様にしか見えませんでしたので、少しガッカリしたのと同時に、ハーレーをベンチマークしてきた競合他社達の追い上げが烈しいので、2014年はちょっと苦戦するのではと心配にもなっていました…。

 

ゼネラルセッションが始まり、FXDFファットボブのモデルチェンジとCVOソフテイルデラックスの説明している間、世界中のディーラーさんも僕もフンフンと見てるだけでしたが、その後登場してきたツーリングモデルの説明が衝撃的でした! 矢継ぎ早に次々に変更点が紹介され始めましたが、エンジンの説明でツインクールド、ツインクールドって空冷なのか水冷なのかどっちやねん、 とモヤモヤしましたが、完全に水冷のVロッドのエンジンと混同されるのを避けるためになのか、Water Cooled(水冷)とは言わずに、最後の最後にやっとLiquid Cooled(液冷)と説明が入りましたが、詳細は次の日の展示会場オープンまで待たなければなりませんでした。その夜は「ああ、やっぱハーレーやってくれたわ」との満足感と、ニューモデルでツーリング出来るという期待で眠れませんでしたと書くところですが、時差のために倒れるように眠りにつきました。(画像はUSHD)

 

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PROJECT RUSHMORの意味合いなのですが、Rush(混雑)+More(もっと)で、こんなにあんなにまだまだ有るぞ!みたいな意味なのかと思っていたら、単純に固有名詞のラシュモアという土地を示しているそうです。ラシュモアといえば、岩山に大統領の顔が彫刻してある写真は、誰でも見たことが有るんじゃ無いでしょうか?(Wikiの画像)僕もそれぐらいの認識しか有りませんでしたが、ラシュモア山を含むサウスダコタ州のブラックヒルズは、ゴールドラッシュ時代に、白人とインディアンの激しい闘いの地であったそうで…。ハーレー本社の方々にも聞いたんですが、あまり直接的な関連付けはしないでくれという事でした。インディアンモーターサイクルとアメリカインディアンは関係ないですし、インディアンの悲しい歴史やタブーも有るからなんでしょうが、しかし…、ラシュモア…って、直接的すぎて大丈夫?って心配になるのは、根っからジャパニーズな私だからでしょうか?ただどちらかというとインディアンモーターサイクルの話題は全く出ず、競合他者として、ホンダやBMWが名指しされていました。

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(It is too late to) shut the stable door when the horse has been stolen.

 

馬が盗られてから、戸を閉めても遅いという意味のアメリカの諺ですが、今年のHDモーターサイクルの発表会でのキーワードは,Shut the stable door! です、競合他者に対して「今年のハーレーをみて慌ててなんかしたって、泥縄だよ」っていう事でしょう。

 

3日間のデンバー〜ソルトレイクまでの850マイルのツーリングを終えて、今はデンバーの空港でこの原稿を書いていますが、私の心情も、Shut the stable door! です。ニューモデルの画像や情報は守秘義務が有るので、今回は載せられませんし話せませんでしたが、次回のコラムではツーリング先の写真と共に、実際に乗ってみた感想をレポートしていきたいと思います。

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