「ハーレーダビッドソン」とはなにか?
■「ハーレーダビッドソン」とはなにか?
このコラムを担当させて頂きます、上代(じょうだい)です。
ハーレーダビッドソン東大阪、ハーレーダビッドソン奈良で営業とメカニックの両方を担当しております。
私はバイク人間で、普段文章なんて書かない人間ですので、読みにくい部分もあるかも知れませんし、私見と偏見に満ちた内容になってしまわないか心配でもありますが、バイクまみれで生きて来た人間が、思うところを素直に、気張らず書こうと思いますので、もし何かの参考になれば嬉しく思います。
さて、「ハーレーダビッドソンとはなにか?」などと、堅苦しいタイトルで始まってしまいましたが、このタイトルの問いには、当然「アメリカ製のオートバイです」っていうのが返事ですが、ハーレーダビッドソンって一体どんなもん?
っていう疑問に、少しでも答えになればっていうのが今回のコラムです。
ハーレーに乗ろうかな?って周りに言うと、バイクに乗ってる方からも、そうでない方からも大概反対されると思います。
ハーレーのイメージってぇと昔から『高い』し、『遅い』し、『すぐ壊れる』のが大多数なんですが、じゃあなんでこんなに沢山の方がハーレーに乗っているかって言うと、『カッコいい』し『乗ってて楽しい』んですね。
でもそれだけの理由で、長いローン組んででもハーレー買って、何年も飽きずに乗り続けるモチベーショが保てるのか?と、ハーレーに触れていない方が思われるのはごもっともな感想だと思います。
『カッコいい』とか『楽しい』ってセンシティブなコトを文にして説明するなんてそれこそカッコ悪いと思いますし、なによりカッコいい話なんて私には出来ません・・・。
と、いう事で、いろんなバイクに乗ってきた感想や、メカニックをしている経歴、アメリカ本土にも何度か行かせてもらった経験から、持っている私なりの見解をお伝えして行きます。
■ハーレーは高い?
ん~、確かにハーレーは高いです。
だいぶ儲けてるんだろってご意見はちょっと脇においといて、ハーレーが何で高いかというと、コストをかけているって一点につきます。
まず、金属の部品だらけです。
最近のモデルはプラスチックのパーツも増えましたが、未だにハンドルのスイッチハウジングもアルミ製ですし、ウインカーのボディもアルミ製です。
プラスチックで造ったほうがはるかに安く出来ますが、彼らはそうはしません。
何故かっていうと単純に長持ちするからです。
次にフレームをみますと、肉厚にガッチリと作っているのと、良質の鉄を使っていますので、表面が少々錆びても強度的には何ともありません。
そして製作後に熱処理を加えて、更に硬く粘りが出るよう調質しています。
少々の事故では曲がらず、もし曲がってしまっても鉄フレームは容易に直せます。
フレームにコストをかける理由はもちろん長持ちさせるためです。
オートバイのビジュアルを決める上で重要な部品のタンクはというと、下側に溶接の「耳」が無いです。
他のメーカーのタンクを見てもらうと分かりますが、高いバイクでもタンクの下側はのりしろがあって溶接してあります。
この作り方の方が安く、大量に出来ますが、合わせた鉄板の隙間に水分が溜まって錆びていずれ穴が空きます。
ハーレーは旧いバイクでもタンクが錆びて穴が空くことは稀です(のりしろの有るタンクの車種がありますが、やはり錆びています、フォーティーエイトのタンクはデザイン上のりしろが有るように見えますが、単純な貼り合わせではありません。)
現在ではロボットが塗料でピンストライプを描いていますが、つい最近まで職人でひとつひとつ手で描いていました。
よく見ると線がいびつですが(ロボットで描いてても…)ラインテープを貼ったタンクよりも永く美観を保ちますし、たとえワックスのかけすぎでピンストライプの色が薄くなっても、それは手作りの骨董品の風格が出てきます。
この様にタンクひとつも手間(コスト)をかけた作りになっています。
目に触れる部分だけでなく、普段見えないエンジンの内部にもしっかりと作り込んでいますが、話が長くなり過ぎるので、『高い』以外のお話と共に、次の機会にします。
この様に、ハーレーとは「良い材料を手間をかけて作った宝物の様な工業製品」だということがちょっとでもわかっていただけたんじゃないかと思いますが、コラムを書き連ねながら、ハーレーに携わってきながら構築してきた自分自身の再確認や再発見という作
業をしながら「ハーレーダビッドソン」とはなにか語っていきたいと思います。